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日々、気が付いたこと感じたことを気ままに綴っています。
2020.03.01
新型コロナウイルスの情報が日々更新されて、全ての日本国民が翻弄されている状況が日増しに強くなっています。
先日、安倍総理の臨時休校要請があり文科省はじめ各自治体が動き出しました。
これにより子供を抱え働く親に衝撃が走りました。
「仕事に行けない」
企業では働けない従業員の対応と今後の人手不足に頭を痛めています。
政府も動いていますが、根本解決とはすぐにならないでしょう。
「昔は鍵っこが多かったんだ、そんなに過敏になる必要はない」と昔話をしたところで、環境の大きな変化の中ではなんの意味もなさないです。
個人個人でなんとかしようとしても、どうにもなりません。
また企業だけで考えても独自に休業補償の類などは負担が大きく、現実的ではありません。企業が潰れてしまえば従業員は失業し、それこそ元も子もなくなります。
従業員は
「休まず働ける方法はないのか」
企業側は
「休ませないで働いてもらう方法がないのか」
ヒントは、昭和のまだ厳格なルールがなかった時代の中小企業にあるかもしれません。
昭和でも大きな会社はすでに家庭とは分離されていましたが、中小企業だと子供が親に用事があると会社に顔を出す、なんてことがまだあった時代。
会社に子供が来ると、親の同僚や上司も子供と話をして笑ったり。
全体で一人ひとりを支えるという雰囲気もまだ残っていた気がします。
とはいえ、私もそういう環境ではありませんでした。私が生まれ育った東京ではすでに子供にとって親のいる会社は想像がつかない場所にありました。お母さんがパートなどで近所にお勤めしている子は少なかったです。
ところが平成になって生まれた私の娘は親の会社で育てられました。
保育園や学校が終わると、当時私が勤めていた会社に来て夕方まで過ごし一緒に家に帰っていた時期がありました。
今でも当時の職場の上司も友人も、娘は子供の時の印象のままです。もう社会人になったといえば「大きくなったね」と驚きます。
引っ越しをしたことで地域が変わり保育園に入園できず幼稚園に転園した娘は3時には帰宅。しかし私は夜まで仕事なので子供を誰が見るか、どこで過ごすか悩みました。そんな中でとても助かったのが、職場で子供を見てくれたことです。
当時営業をしていた私は、朝から夕方まで外出していることが多かったため会社にはいませんでした。
しかし幼稚園のバスが会社についてから夜に私が帰社しまた帰宅できるまで、使用しない応接セットで娘はずっとお絵かきをしたりトランプやパズルなどをして過ごしました。気が付けば応接セットの物入には娘用のアイテムがぎっしりになっていました。
手が空いている人が声がけしてくれたり、ちょっと相手をして過ごす日々を送りました。支店長も事務員さんも営業の同僚たちも。
そこの職場では過去にそういう事例はなかったにも関わらず、快く受け入れてくれたことに今でも感謝しています。
家族を大切にする理念が行き届いていた企業でもあり、創業当時から「May I help you?」という言葉を実践する企業でもありましたからお客様と会社だけではなく従業員と家族、そして会社の関係を大事にしていました。
娘は当時の会社に育ててもらった、と思って今でも忘れることはありません。
今回、急な休校となり企業も親も頭を痛めています。
一人で留守番が出来るのだろうか。犯罪に巻き込まれてしまうのではないか。勉強は?ごはんは?
会社も親である従業員も、そして休校と無縁の従業員も少しずつできることを負担してはどうでしょうか。
例えば、会社の使わない部屋はありませんか?
あまり使用しない机や椅子はありませんか?
フロアに空間を作ることはできませんか?
休校になるお子さんの人数はどのくらいかを確認して一時的に会社でまとめて面倒をみるってどうでしょう?
子供たちにはカリキュラムではなく緩くルールを作って守ってもらうよう話します。
(父でも母でも)親は子供との食事を一緒に過ごす。基本は過度に関わらないが、注意は自分と他の子を区別せずに行う。
手が空いている社長はじめ従業員(上司でも部下でも男女どちらでも)がたまに覗き必要に応じて遊んだり指導する。
該当する親子通勤者の出勤時間を調整する(ラッシュをずらす)
今回は一時的なものですので当面は乗り切れます。
一時的ではありますが、今回のような機会をチャンスに変えることが出来れば、得られるものは普段の事業では手に入らない貴重なものになる可能性があります。それは従業員よりも会社にとってメリットが大きいかもしれません。
◎親である従業員が得られるメリット
1.当然休まず仕事が出来ます。収入が激減することは避けられます。確かに親子で通勤は大変疲れますが生活そのものが不安定に陥るリスクは回避できます。有給休暇などを組み合わせ体の負担も考慮しながら通勤すると良いかもしれません。
2.子供と会話をする機会が増えます。普段仕事をしているため会話が少ないならいい機会になります。
3.親の仕事をするイメージが子供に定着します。子供にとって想像できない会社での親の姿を目の当たりにするという事は子供の人生に非常に大きいです。親の苦労、仕事の大変さから親に感謝する、また子供なりに親を気遣う気持ちが湧いてきます。
4.年の違う子供が集まり、子供は自然と接し方を考えるようになります。核家族や同じ年の子しかいない学校生活では味わえないコミュニケーションを身に付けられます。
◎該当しない従業員へのメリット
1.会社に子供がいるため自分を律するようになります。不思議と子供の前で大人はおかしなことが出来ません。社内の雰囲気も和らぎます。
2.個人の先に家族の顔が見えるようになります。当たり前に誰でも家族がいますが、会社にいるときは微塵も感じさせないです。なので時々その人だけしか見えずに無茶なことを言ったりやったりします。家族がいることを実感するとハラスメント防止作用があります。
3.お互いを思いやる気持ちが育ちます。お互い様であり、自分が困った時は助けられるイメージで安心する職場になります。
◎事業主のメリット
1.人手不足が緩和されます。親子通勤で出社してくれればそれだけ仕事も滞らずにすみます。営業時間や事業なども制限せずに済みお客様に迷惑をかけずに済むかもしれません。
2.従業員から感謝され、定着促進に繋がる可能性が大きくなります。また今回該当しない従業員からも、信頼を得られることになるでしょう。明日は我が身、と思う中、安心して仕事をしてもらえることになります。
3.企業イメージの向上は間違いありません。今後の採用にも非常に良い影響が出ます。採用できない悩みが多い中小企業は率先しアピールすることをお勧めします。取引先にも非常に好印象です。
とにかくもし親子通勤が出来れば、社長の人望は間違いなく内外から集まる可能性は高いですね。
今回の新型コロナウイルスは、過去に例のない事態です。何が正解かわからない中、政府が決めたことの中で自分達が何ができるかを考えていかないと非常事態を受け身でいたら自滅するかもしれないくらいの危機です。
しかし、少し考え方を変えたらチャンスになるかもしれません。
ウイルスによる大規模な休校など過去にありませんでした。そして急に措置を求められて就業規則もなにも整っていない中小は多いでしょう。
テレワークも物理的にできる企業とそうでない企業、職種によっても立場によっても違いがあります。
時差出勤についても同様です。他にもフレックスタイム制や特別休暇の扱いも見直す必要があるかもしれません。
自社にとって未来に向け、真剣に制度を考え準備し教訓にし就業規則を変更することが望ましいです。
「今さえ過ぎれば」と思っていると、周りの企業から、そして時代から取り残されてしまうかもしれません。
最後に休業の保護者に新たな助成金制度が整備されるようです。
こちらも今後注目したいですね。