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日々、気が付いたこと感じたことを気ままに綴っています。
2020.04.06
2020年1月から徐々にコロナの影響が出始めていた観光業界ですが、3月に入ったころから深刻な状態になっています。
東京オリンピックも延期で集客を見込んで軒並みオープンしてきた宿泊業界は大打撃を受けており、2021年開催予定のオリンピックまでどう生き残るかが鍵となります。
そこで全国チェーンのホテルで、業績をアイディアでV字回復させた経験が何度かある元女将(支配人)の頭で、この状況から何ができるかを考えてみます。
ホテルは維持しているだけでも莫大なお金がかかります。小さな旅館で家族だけで経営しているところでも、大なり小なり設備や人件費もかかっています。
特に人件費は節約しようにも、減らす(=解雇または退職)といざという時にすぐ採用できず採用しても教育できず、なんとか最小限の人員の維持が必要です。食品の貯蔵、リネンの費用、浴場があれば管理費維持費、光熱費も。
いつ終わるかわからない現在の状況ですが、いざ終わった時にはすぐに再開できるようにしておきたい。準備は常にしたい思いがあります。
非常に厳しいですね・・。本当にお辛い状況です。
これでは日本の観光業は衰退し、2021年開催予定のオリンピック時には宿泊施設がなくなってしまいそうです。
本来ならあるはずだった売上が今現在まったく見込めません。長期にわたって自粛が続き、キャンセルの嵐ですね・・。
とても資金繰りが厳しいです。
では何もせずに、手をこまねいてみているのか?
「宿泊券」や「サービス金券」の販売
既に飲食サービス業でも始めているところがありますが、コロナが落ち着いたら使用できるサービス券などの販売で、現金収入を得ることが出来ます。今は旅行もビジネス出張も出来ませんが、落ち着いたら来てくれる「約束」が出来ます。
もちろん、1泊宿泊券(安くする必要はありません)でもよし、5000円相当額の招待券でも良いと思います。(これらは届出が必要になる場合がありますので必要な場合は専門家に)
会員の方がいるならお知らせして販売やサイトでの特別販売など広くお知らせし買ってもらいましょう。
応援したい気持ちがあれば買ってくれる方もいます。つまり、購入した方はあなたのホテルの応援団。来訪した時には、心から感謝の意を表したいですね。
HPや販売時には載せていない隠れたサービスで出迎える
朝食サービスやウエルカムドリンク&メッセージカードとか。もちろん、チェックイン時は総出で笑顔でお出迎えしたいですね。
予約の期限を長期(5年~)にしておく
なぜ5年など長期にするかというと、いつコロナが落ち着くのか先が見えないし、終わったとたんチケット等を利用できるか、といえば買ってくれたお客様の状況次第。結果行けるようになったら期限が過ぎていたというのは、お客様のためにならないですし、ホテル側も集中してチケット利用のお客様がくると利益が出ないため、分散する方が得策だと思います。期限は10年くらいあっても良いかもしれません。
いつでもお待ちし、感謝していることはお伝えしましょう。
ニュースレターを送付
もともと保育園で園だよりを作成していた経験から四半期ごとに会員様のニュースレターを送っていましたが好評でした。「来てほしいアピール」すぎると嫌われるので情報8割宿泊お勧めなどを2割くらいのバランス。近隣のお勧め飲食店や観光スポット、新しい宿泊プランなども盛り込んで季節のお便り的なものをアットホーム感を出しながら送ると、お客様も嬉しいでしょう。
※ガチャも良いなと思いましたが、1泊の料金でガチャは高額すぎる・・と思って宿泊券などが良いかと思います。
これらを実行することで、明確に最大級のお客様名簿も作れます。一人ひとりのお客様の志向やニーズを掴めます。
また、感謝の気持ちで接することでお客様のハートも再度がっちり掴めるようにしましょう。
ただし繁忙期に、「予約が取れない!!」などのクレームには要注意です。観光地だと良い季節に行きたいと誰もが考えます。その時期に取れないんじゃ、意味ない!と逆にクレームになってしまわないよう、客室の予約管理をしましょう。見た目満室でもあの手この手で入れてあげてください。
ここは、女将(支配人)の腕の見せ所です。(予約係ならわかるでしょ?(*´艸`))
宿泊がだめでも、幸いネット環境が整っているためテレワークのビジネス向けに客室を貸すことができます。
シングルの多いビジネスホテルは最適。ちょっと疲れたら横になれるベッドもあります。この際なので多少安くても利益が出ない程度の安さで時間貸しするのはどうでしょう?
リネン類は入れず、
・寝たい人……シーツ類は有料
・シャワー浴びたい人……タオル類は有料
フロントで申請し、リネンを別料金で受け取るようにするとお掃除も短縮でき、最小限の人員で出来ます。(枕くらいは使ってもいいよね?)
家でテレワークしたくても気になるものが多すぎる、集中できない、という声はいっぱい聞きます。必ずニーズはあります。
ビジネスマンも、毎日ではなくても週に1回くらいホテルでテレワークって自粛ムードの中少し気晴らしになるかもしれません。
フロントの明るい笑顔でお出迎えしてあげたら、社会全体くらいムードの中少し気持ちも癒されるのではないでしょうか。
コロナ疲れのビジネスマンをオモテナシするのはどうでしょうか?
非常に冒険ともいえますが、売上がないよりはましです。
しかし整えなくてはいけない問題もあります。
・衛生管理は誰がするのか
・食事の用意をどうするか
・リネン交換、清掃をどうするか
・万が一従業員にコロナウイルス罹患者が出た場合の処置
・アルコール除菌剤やマスク等の費用はどこがもつのか
・医療従事者とのすみわけ
などを徹底的に政府と話し合わないといけません。
風評被害があるかもしれません。リスクはあります。
ですが、どうせお客様がいないのならいっそ政府が払う軽症患者の宿泊費でもはいるほうが良いかもしれません。
家族の誰かが陽性になり、軽症者で家で隔離になった場合陰性の家族はすぐさま別の場所に行ってなるべく陽性にならないようにしたいものです。もちろん数日後に陽性になる可能性もありますが陰性でいられるかもしれないのです。
特に高齢の親や自分の子供には移したくない……。
陽性ではないけど濃厚接触者として2週間ほどの隔離期間が必要……。
という方を対象として宿泊を許可するのはどうでしょう?
もちろん宿泊費はお支払いいただきます。
保健所や医療従事者が濃厚接触者の健康状態をチェックしていき、陽性になった場合は自宅療養している家族のもと、または病院等に移っていきます。
リスクもありますが、社会・地域貢献になります。
その際のリスクヘッジは前項「コロナウイルスでの政府対応ホテルに名乗りを上げる」と同じように、政府と相談することが望ましいと思います。
今回のコロナウイルスは、日本だけではなく全世界が悲鳴を上げています。
収束したと油断すれば、また広がるかもしれないと思うと安心する日がいつ来るかもわかりませんが、この機会に出来ることをやってみては如何でしょうか。
この時期にいろいろな方法で、お客様の信用や感謝の気持ちを掴み取れるホテルや旅館しか生き残れないと思っています。
また宿泊業は地域と連携してこそ、最高のサービスを生み出せると思っています。自分の商売だけではなく、ご近所の飲食店や整体医院などと連携し、今使用してくださる、また宿泊券を購入してくださるお客様に最高の気持ちなってもらって「来てよかった」と言ってもらえるように努めたら、必ず10年先もファンでいてくれると信じています。
諦めたら そこで試合終了
「スラムダンク」という漫画での、有名なセリフです。
私もそう思います。