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HPC通信 2021年2月号

再びの緊急事態宣言とコロナ鬱防衛策として

◆再びの緊急事態宣言

新型コロナの陽性者急増を受け、1都3県について再び緊急事態宣言が出されました。これを受け、テレワーク等の強化を促す政府の姿勢に合わせる企業も多いかと思います。

ただ、こうした流れで気になるのが、コロナ鬱です。昨年に緊急事態宣言が出された後にも問題となっています。

 

◆最近の調査研究から

収入の減少や様々な他者との接触機会の減少などから、うつ状態や自殺念慮に関するリスクが高まることが知られています。

最近の独立行政法人経済産業研究所の調査研究では、世帯収入や預貯金額の少ない人々、世帯収入が1年前よりも減少した人々、過去1か月間に仕事以外で電話などの音声によって頻繁に連絡をとった人々、新型コロナウイルスに感染したと診断された人々、昨年同時期よりも運動量が減った人々は、うつ病や自殺念慮を有する割合が高かったそうです。

一方で、相談相手のいる人々、過去1か月間に仕事以外で知り合いと直接会った人々、過去1か月間にLINEなどの音声を伴わないリアルタイムでの連絡を頻繁に行った人々、規則正しい生活を送る人々は、うつ病や自殺念慮を有する割合が低かったということです。

 

◆防衛策として

コロナ禍であっても、知人との適度なコミュニケーションをとる、困ったことが起きたら1人で溜め込まずに適切な相手に相談をする、起床・就寝・食事時間などの生活リズムを一定にして過ごすことが、個人でできるコロナ禍におけるメンタルヘルス対策として有効である可能性があります。

また、日ごろの運動量を可能な範囲で維持することも重要とされ、コロナの猛威が喧伝されたとしても、防衛策のひとつとして、適度な運動は必要なようです。

によると、首都圏在住の勤労者(男性)の、出勤時の歩数は平均で1万歩程度、休日の歩数は7,000歩程度だそうです(日本産業衛生学会「産業衛生学雑誌」2006-48、https://www.jstage.jst.go.jp/article/sangyoeisei/48/5/48_5_176/_pdf/-char/ja)ので、テレワーク中でもこれくらいの歩数またはそれに相当する程度の運動量が必要なのでしょう。

通勤がないから楽でいいや、とテレワークの恩恵に浸りすぎてしまい、心まで病まないように気を付けたいところです。体温が上がると体の免疫力も上がることが知られています。日頃、運動習慣のない人は余計に気を付けたいですね。

会社としては、そうした情報を社員に伝えること、また単純なことですが、テレワークしている社員からのメッセージにはできる限り即レスする等、コミュニケーションは「密」が良いようです。

【独立行政法人経済産業研究所「第3波直前の我が国における、コロナ禍でのうつ状態と自殺念慮に関するリスクの検討:「新型コロナウイルス流行下における心身の健康状態に関する継続調査」第一回調査結果より」】

https://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/20j044.html

 

企業の同一労働同一賃金への対応状況は?

◆4月から全面施行「同一労働同一賃金」

パートタイム・有期雇用労働法の施行に伴って、企業には正社員と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消等が求められています。2021年4月から中小企業にも全面的に適用されるこの「同一労働同一賃金」。完全施行を前に準備を進めている企業も多いところです。企業の対応状況はどのようになっているのでしょうか。

 

◆「同一労働同一賃金」ルール 認知度は6割

独立行政法人 労働政策研究・研修機構が実施した調査(10 月1日現在の状況について調査。有効回答数(有効回答率) 9,027 社(45.1%))によれば、同一労働同一賃金ルールについて「内容を知っている」との回答が6割超となっています(大企業(常用雇用者 301人以上)で93.6%、中小企業(同 300人以下)で63.3%)。「内容はわからないが、同一労働同一賃金という文言は聞いたことがある」は31.4%(大企業5.2%、中小企業32.6%)となっており、適用前の中小企業ではまだ周知が不十分である状況もわかります。

 

◆対応完了は約15%

同調査によれば、同一労働同一賃金ルールへの対応(雇用管理の見直し)について、「既に必要な見直しを行った(対応完了)」が14.9%(大企業27.5%、中小企業14.1%)、「現在、必要な見直しを行っている(対応中)」が11.5%(大企業23.9%、中小企業10.8%)、「今後の見直しに向けて検討中(対応予定)」が19.5%(大企業 25.7%、中小企業 19.3%)となっています。約半数が「必要な見直しを行った・行っている、または検討中」である一方、「従来通りで見直しの必要なし(対応完了)」が34.1%(大企業16.5%、中小企業35.1%)、「対応方針は、未定・わからない」が19.4%(大企業6.4%、中小企業20.1%)となっており、まだ手をつけていないという企業も多いようです。

 

◆不合理な待遇差禁止義務への対応が4割

対応策にも様々ありますが、本調査では(複数回答)、「左記(正社員と職務・人材活用とも同じ)以外のパート・有期社員の待遇の見直し(不合理な待遇差禁止義務への対応)」が4割を超え(42.9%)、「正社員とパート・有期社員の、職務分離や人材活用の違いの明確化」(19.4%)、「正社員と職務・人材活用とも同じパート・有期社員の待遇の見直し(差別的取扱い禁止義務への対応)」(18.8%)、「就業規則や労使協定の改定」(18.6%)、「労働条件(正社員との待遇差の内容・理由を含む)の明示や説明」(17.0%)、「パート・有期社員の正社員化や正社員転換制度の導入・拡充」(12.8%)、「正社員を含めた待遇の整理や人事制度の改定」(10.7%)、「正社員の待遇の見直し(引下げ等)」(6.1%)等が続いています。

これからという企業も、自社の状況をみながら具体的な対応を検討していきたいところです。

【独立行政法人 労働政策研究・研修機構「『パートタイム・有期契約労働者の雇用状況等に関する調査』結果」PDF】

https://www.jil.go.jp/press/documents/20201225.pdf

 
 

育児休業中の就労について

◆育児休業中に就労することはできるか?

育児・介護休業法上の育児休業は、子の養育を行うために、休業期間中の労務提供を消滅させる制度です。よって、休業期間中に就労することは想定されていません。

しかし、労使の話合いにより、子の養育をする必要がない期間に限り、一時的・臨時的にその事業主の下で就労することができます。ただし、恒常的・定期的に就労させる場合は、育児休業をしていることになりません。

 

◆育児休業中の就労にあたっての留意点

事業主の一方的な指示により就労させることはできませんので、労働者が自ら事業主の求めに応じ、合意することが必要です。また、事業主は、育児休業中に就労しなかったことを理由として、人事考課において不利益な評価をするなど、労働者に不利益な取扱いをしてはなりませんし、上司や同僚からのハラスメントが起きないよう、雇用管理上必要な措置(マタハラについての相談体制の整備、相談が発生したときの適切な対応等)を講ずる必要があります。

 

◆一時的・臨時的に就労した場合、育児休業給付金は支給されるか?

上記のように、一時的・臨時的にその事業主の下で就労した場合、就労が月10日(10日を超える場合は80時間)以下であれば、育児休業給付金は支給されます。

 

◆一時的・臨時的就労に該当するケース

厚生労働省が公表している「育児休業中の就労について」というリーフレット(令和2年12月)において、一時的・臨時的に就労と該当する例と該当しない例が示されています。

① 労働者の育児休業期間中に、限られた少数の社員にしか情報が共有されていない機密性の高い事項に関わるトラブルが発生したため、当該事項の詳細や経緯を知っている当該労働者に、一時的なトラブル対応を事業主が依頼し、当該労働者が合意した場合。

② 労働者は育児休業の開始当初は全日を休業していたが、一定期間の療養が必要な感染症がまん延したことにより生じた従業員の大幅な欠員状態が短期的に発生し、一時的に当該労働者が得意とする業務を遂行できる者がいなくなったため、テレワークによる一時的な就労を事業主が依頼し、当該労働者が合意した場合など。

 

これらの事例はあくまで一例であり、これらの事例に合致しないケースが一律に一時的・臨時的な就労に該当しないことにはなりません。

また、一時的・臨時的就労と判断されない例として、③労働者が育児休業開始当初より、あらかじめ決められた1日4時間で月20日間勤務する場合や、毎週特定の曜日または時間に勤務する場合、を挙げています。

 
 

3月1日から障害者雇用率が引き上げられます

◆改正の概要

障害に関係なく、希望や能力に応じて、誰もが職業を通じた社会参加のできる「共生社会」実現の理念のもと、障害者雇用促進法(障害者の雇用の促進等に関する法律)において、事業主には、障害者雇用率以上の割合で対象障害者を雇用する義務が課されています。この法定の障害者雇用率が、令和3年3月1日から0.1%引き上げられることになりました。

改正の経緯としては、平成30年4月1日施行の改正で、法令上は、2.0%から「2.3%」に引き上げられました。ただし、経過措置として、平成30年4月1日から起算して3年を経過する日より前に廃止することして、当分の間は、「2.2%」とすることとしていました。

この経過措置の廃止の期日が、「令和3年3月1日」とされ、結果的に、同日から法令上の「2.3%」が適用されることになりました。

 

◆障害者雇用率

事業主(国および地方公共団体を除く)は、その雇用する対象障害者(※)である労働者の数が、その雇用する労働者の数に障害者雇用率を乗じて得た数(その数に1人未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる)以上であるようにしなければなりません(障害者雇用促進法43条1項)。

※対象障害者とは、身体障害者、知的障害者または精神障害者(精神保健および精神障害者福祉に関する法律の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けているものに限る)をいいます(障害者雇用促進法37条2項)。

この障害者雇用率が、3月1日から以下のとおりとなります(いずれも同日前より0.1%引上げ)。

・一般事業主(一定の特殊法人を除く)

……………………………………100分の2.3

・一定の特殊法人

……………………………………100分の2.6

・国・地方公共団体(都道府県等の教育委員会を除く)…………………………100分の2.6

・都道府県等の教育委員会

……………………………………100分の2.5

 

◆障害者雇用率の引上げの影響

障害者雇用率の引上げに伴い、対象障害者を1人以上雇用する義務のある一般事業主(一定の特殊法人を除く)は、常時雇用する労働者の数が43.5人以上の事業主となります(1人÷100分の2.3=43.478≒43.5人)。

この事業主には対象障害者の雇用義務のほか、次の義務・努力義務が課せられます。

・毎年、6月1日現在における対象障害者である労働者の雇用に関する状況を、翌月15日までに、管轄公共職業安定所長に報告する義務(障害者雇用促進法43条7項)

・障害者雇用推進者を選任する努力義務(障

害者雇用促進法78条)

 

2月の税務と労務の手続提出期限[提出先・納付先]

1日

○ 贈与税の申告受付開始<3月15日まで>[税務署]

 

10日

源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>

[公共職業安定所]

 

16日

所得税の確定申告受付開始<3月15日まで>[税務署]

※なお、還付申告については2月15日以前でも受付可能。

 

3月1日

じん肺健康管理実施状況報告の提出[労働基準監督署]

健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]

労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]

固定資産税・都市計画税の納付<第4期>[郵便局または銀行]

※都・市町村によっては異なる月の場合がある。

 

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