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HPC通信 2020年12月号

「雇用シェア」の活用と雇用調整助成金の受給要件

◆異業種間の出向のマッチングを無料で支援
公益財団法人「産業雇用安定センター」は、新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に雇用が過剰となった企業(送り出し企業)が人手不足等で悩む企業(受入れ企業)への出向のマッチングを無料で行う「雇用シェア」(在籍型出向制度)への支援を強化しました。同センターは、6月から「雇用を守る出向支援プログラム2020」を開始し、送り出し企業と受入れ企業の人材ニーズに関する情報を収集、状況を把握し、異業種間の出向支援を行っています。

◆「雇用シェア」の具体的な事例
例えば、観光客の減少により観光バスの運転手の雇用維持に苦慮している観光バス会社の従業員を、従来からの人手不足に加えて、輸送量や出荷の増加していることからトラック運転手や倉庫関連の業務の人員確保として出向する事例や、旅館やホテルの従業員が病院の案内係として活躍などの事例が挙げられています。

◆雇用調整助成金の受給要件
厚生労働省は、「雇用シェア」を活用する場合に雇用調整助成金が受給要件を掲載したリーフレットを公開しました。概要は下記のとおりです。

●対象となる出向
・雇用調整を目的とする出向(経済上の理由で事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図ることを目的に行う出向)であること
・出向後は元の事業所に戻って働くことを予定していること
・出向元と出向先が、親子・グループ関係にないなど、資本的、経済的・組織的関連性などからみて独立性が認められること
・玉突き雇用・出向(出向元で代わりに労働者を雇い入れる、出向先で別の人を出向させたり離職させる、出向元と出向先で労働者を交換するなど)を行っていないこと

 

●助成額

出向元が出向労働者の賃金(注1)の一部を負担する場合、以下のいずれか低い額に助成率(注2)をかけた額を助成。

イ 出向元の出向労働者の賃金に対する負担額

ロ 出向前の通常賃金の1/2の額

※ただし、8,370円× 330/365 × 支給対象期の日数が上限

(注1)出向労働者に出向前に支払っていた賃金とおおむね同額を支払うことが必要

(注2)助成率は、中小企業2/3 大企業1/2

 

●支給までの流れ

①出向先との契約、労組などとの協定、出向予定者の同意
   (契約は、出向元と出向先の間で、期間、処遇、賃金額、負担割合などを取り決める)
②計画届の提出、要件の確認   
③出向の実施(1か月~1年)
④支給申請、助成金受給

【厚生労働省リーフレット:「雇用シェア」(在籍型出向制度)を活用して、従業員の雇用を守る企業を無料支援します!】

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000682586.pdf

 

 

来年4月1日施行! 
気になる同一労働同一賃金の取組みと賃金の動向について

◆「同一労働同一賃金」とは?
同一企業における、いわゆる正社員と非正規社員(有期雇用労働者、パートタイマー、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指し、基本給や賞与などあらゆる待遇について不合理な待遇差を設けることが禁止されます。

また、非正規社員から求めがあった場合に、正社員との待遇差の内容や理由などについて、事業主が説明すること、また説明を求めたことを理由に不利益取扱いをしないことが義務付けられます。

2020年4月1日より大企業と労働者派遣について適用され、中小企業は2021年4月から適用となります。

 

◆企業・労働者はどんな反応をしている?
11月6日の閣議に提出された「令和2年度 年次経済財政報告」の第2章にて、同一労働同一賃金の取組みや影響に関する内容がまとめられているので、一部を紹介します。

待遇の違いについて、「業務の内容等が同じ正社員と比較して納得できない」と回答したパートタイマー・有期雇用労働者の割合は、「賞与」37.0%、「定期的な昇給」26.6%、「退職金」23.3%、「人事評価・考課」12.7%となっています。

一方、取組みの実施率は、「業務内容の明確化」35.2%、「給与体系の見直し」34.0%、「諸手当の見直し」31.3%、「福利厚生制度の見直し」21.2%、「人事評価の一本化等」17.7%となっています。

また、企業が課題と感じていることは、「費用がかさむ」30.4%、「取り組むべき内容が不明確」19.5%、「社内慣行や風習を変える事が難しい」18.7%、「効果的な対応策がない、分からない」16.5%、「業務の柔軟な調整」16.1%となっています。

 

◆対応に必要な費用の一部に助成金を活用することもできます
厚生労働省のキャリアアップ助成金は、キャリアアップ計画を提出して6つのコースから選んで非正規社員の待遇改善等を行う場合に、費用の助成が受けられます。

 近年、「同一労働同一賃金」に向けて対応を進める企業で多く利用されていますが、申請が適正になされず不正受給と判断されると、支給取消しやペナルティが課されるだけでなく企業名が公表されます。

 助成金の利用も含めて、「同一労働同一賃金」への対応は、専門家に相談しながら進めるのがよいでしょう。

 

これからの人材育成戦略「リスキリング」

◆「リスキリング」とは
「リスキリング(Reskilling/Re-skilling)」という言葉をご存じですか? これはもともと「従業員の職業能力の再開発・再教育」という意味合いで使われている言葉ですが、近時は、「市場ニーズに適合するため、保有している専門性に、新しい取組みにも順応できるスキルを意図的に獲得し、自身の専門性を太く、変化に対応できるようにする取組み」と位置づけられています。

◆「リスキリング」の有用性
デジタル化の進展や、コロナウイルスの問題など、現在、企業には、数多くの変化が生じています。あらゆる変化に備える必要があり、そのための対策の一環として、従業員の専門性やスキルを柔軟に取り扱う観点から、リスキリングの有用性が注目を集めています。たとえば、変化が生じるたびに、その変化に対応する新しいスキルを持つ人材を雇おうとするのは困難ですが、従業員がすでに習得しているスキルを再開発して底上げすることで対応が可能になれば、既存の人材で、企業が直面する多種多様な課題に対応することができ、大変有益です。

 一方で、日本においては、488万4,000人の労働者がリスキリングを行う必要があるとされており(IBMの2019年調査結果による)、まだまだ取組みが進んでいない状況が窺えます。

◆「リスキリング」の取組み
リスキリングに取り組む上では、従業員の能力や適性を把握して、今後獲得すべきスキルやキャリアの方向性を決定することが大切です。発見したスキルギャップを埋めるための学習を繰り返すことで、従業員のスキルは徐々に底上げされていきます。

企業にとってもメリットの多いリスキリング。人材を活用するための戦略の一環として、投資を検討してみてもよいかもしれません。

ウィズコロナ時代の忘年会

◆どうする? 今年の忘年会
間もなく忘年会のシーズン。例年であれば、メンバーに声をかけて日程を調整したり、場所の選定をしたりという頃合いかもしれません。しかし、今年は新型コロナウイルス感染症拡大により、例年通りとはいきそうにありません。ウィズコロナ時代の忘年会について、人々はどのように考えているのでしょうか? 日本フードデリバリーは「ウィズコロナ時代における忘年会」に対する意識調査を行いました。

 

◆忘年会をリスクと捉える人が多数
「忘年会の参加によって新型コロナへの感染リスクが高まると思うか?」という質問には、「高まる」「どちらかといえば高まる」と答えた人が合わせて94.9%に上りました。多くの人が、従来の忘年会の様式では感染リスクが高まると考えていることが伺えます。そして、「今年、職場の忘年会が開催された場合に参加したいか?」という質問では、「参加したくない」「どちらかといえば参加したくない」が合わせて61.5%となり、乗り気ではないと答える人が多数派となりました。なお、「参加したくない」と回答した人の理由は、「新型コロナウイルスへの感染が不安だから」というものが大半でした。

 

◆重視するのは感染防止対策
忘年会で重視するポイントを尋ねる問いに対しては、「感染防止対策を行っている」(75.7%)が最多となりました。また、開催する場合に望ましいかたちとして、以下のような傾向が読み取れました。

・開催場所は、感染防止対策がきちんと行われている「飲食店」か「オフィス」を希望する人が多い。
・時間の長さは、8割の人が「2時間未満」が望ましいと回答。
・時間帯は、就業時間内の開催を望む人と、終業後の開催を望む人の割合が、約半々。

 アンケートからは、新型コロナウイルスへの感染を避けるための行動をしようという意識が強く感じられました。こういった意識をくみ取りながら、社内で意見をすり合わせ、どうするかを選択していきましょう。

参考:「ウィズコロナ時代の忘年会に対する意識調査」(日本フードデリバリー株式会社)

https://www.jfd.co.jp/news/422/

 

12月の税務と労務の手続期限[提出先・納付先]

10日

源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合> 
[公共職業安定所]
特例による住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

31日

健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]
労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]
固定資産税・都市計画税の納付<第3期>[郵便局または銀行]
※都・市町村によっては異なる月の場合がある。本年最後の給料の支払を受ける日の前日まで
年末調整による源泉徴収所得税の不足額徴収繰延承認申請書の提出
[給与の支払者(所轄税務署)]
給与所得者の保険料控除申告書、給与所得者の配偶者控除等申告書、住宅借入金等特別控除申告書、給与所得者の基礎控除申告書、所得金額調整控除に係る申告書の提出[給与の支払者(所轄税務署)]

 

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